診断のためのさまざまな検査

基本的に問診が中心となる

心療内科では患者さんの心境を詳しく知るために、問診を中心に診断を進めていきます。まずは問診票に症状や悩んでいること、いつから症状が出ているのかなどを事細かに記述します。この問診票によってあらかじめ症状を把握し、診察に活用していくのです。診察に移ったら、問診票に書ききれなかったことはないか確認します。この時医師は、話している様子をじっくり観察しています。体が揺れていないか、手が震えていないか、目が泳いでいないかなど、心の状態が体に反映していないかをチェックするのです。

もしも気分が落ち込んでいる場合は、表情が暗くなり会話も消極的になります。反対に興奮状態であると、声が異常に大きかったり落ち着きがなくなります。こうした様子から診断を下していくのです。

必要に応じて体の検査も行う

気分の落ち込みが体調に著しく影響を及ぼしている場合には、問診に加えて体の検査も行わなければなりません。例えば、疲れが取れにくいとか無気力な状態が続いているという場合、甲状腺の異常や肝機能の低下を疑います。また、食欲がなく体重が大幅に減った場合、低血糖やホルモン低下による影響も視野に入れます。こうした症状が出ている場合、採血を行ってそれぞれの数値から判断する必要があるのです。さらに、頭部の外傷や腫瘍によって脳に直接影響が出ている場合には、画像検査が行われます。

診察の補助として活用されるものには、心理テストが挙げられます。あくまで補助的な検査ですが、知能指数や性格の測定、能力の得意不得意も把握できるのです。